2016年5月6日金曜日

手頃に生き物を飼ってみるには?ビオトープ・アクアポニックス

犬とか飼えたらいいですよね!
一緒に育った犬の死を、心から悼んでいる友だちを見ながら、なんて素敵な関係なんだろうとつくづく感じました。マンションだし、賃貸だし、喘息だし、アメリカなんて狂犬病あるし。。。哺乳類まで行かなくても、何か子どもと生き物を飼ってみたいなという方の参考に、手軽に飼えて、サークルオブライフを学べる素敵なビオトープを紹介します。



◆エビ
いきなりエビと言うと、驚かれる方も多いかもしれませんが、多摩川始め、農業用水の川などには、かなりの確率でヌマエビなどが住んでいます。
捕まえるコツとしては、川辺の草が生い茂り、あまり流れの急じゃないあたりで、川べりを網で揺らしながらすくい上げることです。エビは、川に垂れ下がった草の中に住んでいることが多いので、草を揺らして驚かし、網の中に出てきたのを救います。
この時、エビが住んでいるところの泥や砂、小さな草、浮草、そして水を一緒にバケツいっぱい(最終的に飼う容器の2倍)持って帰ってきてください。


そして、バケツ、麦茶などを入れるピッチャーなど、深さのある容器に、底2割は砂や泥、そして水、生えていた草や浮草を入れます。エビは片側の容器だけに入れてください。1Lのピッチャーなら1匹、あまり多く入れないようにしてください。
そして、お日様の当たる窓辺に置きます。ただ、夏は水温が上がりすぎるので、気をつけて!
水が減ってきますので、適宜水を足すますが、水温差もなく、カルキも抜けるので汲み置きの水を隣に置いておくと便利です。

こうやって環境をそのまま移設すると、実は餌も水換えもいらないのです。

よくみてください。みなさんがとってきたのは、実はエビだけじゃないはずです。小さなミジンコが泳いでいるはず。そして泥の中には、小さな線虫なども。気持ち悪いと言わないでください。この循環する環境のおかげで、何も足さずに、ぐるぐる命が巡っているんです。人間の世話が必要な飼い方は、そこで何らかしらの命の循環が切れている。
そして、エビを飼う醍醐味は、エビはどんどん繁殖するから。もし捕まえてきたエビが卵を抱いていたら、ラッキー!子どもたちと毎日観察してみてください。目が出来て、卵が全体的に黒っぽくなってきたら、かわいい赤ちゃんが出てくるのも間近。
エビは、繁殖で命を落としてしまうことも多く、お母さんが死んでしまうこともあるでしょう。しかしお母さんの死体が、あっという間にいろいろな生き物に処理されて、跡形も無くなってしまうのも、この水槽の学びの一つです。
ザリガニは、形は似ているのですが、残念ながらものすごく水を汚すので、上記と同じ方法では少し無理。息子がザリガニをこの環境に入れたことがあるのですが、一瞬にして破壊されてしまいました。綺麗な環境で循環するためには、きっとものすごく大きな環境を作るか、ものすごく小さいザリガニを選ばないといけないと思います。話が逸れますが、アメリカザリガニというと、真っ赤で大きなものを思い出しますよね?ところがアメリカ北東部で見かけるのは、小指の爪ほどの灰色がかかった青色の、小さな小さなザリガニが多いんですよ。面白いですよね

アクアポニックス、聞いたことありますか?
魚などの生き物のし尿が、植物の栄養となる形で、上記で述べたような命の輪が閉じるようにして飼育栽培する方法です。上記で説明した環境だと、アクアポニックスの形をとらなくても機能することが多いですが、より植物を明確に植えた形とも言えます。水槽の上部に、ザルと砂、その上に植物を植えると簡単にできますね(全部覆ってしまうと、日が当たらず新鮮な空気もなくお勧めできませんが)。


右の写真は、ベランダで、アクアポニックスのように水辺と植物の混載を試みたものです。池を作るために、どうしても縁を水が通らないものにしないといけなかったので、完全に行き来できる形にはなっていないのですが、池の中の土と植物、おたまじゃくしなどで循環の形を作っています。











以上は全て東京の自然の力だけで行ったことです。すごいですよね。都会の自然も豊かでパワフルなんですよ。是非一度覗いてみてください。
水辺も、遠いままだとなかなか愛着も湧かず、愛着がないと、汚れていても悲しいという気持ちにならないものです。
あの水の中に、何がいるんだろう?
あの草陰に、何がいるんだろう?
そんな生き物への愛と繋がりに溢れて景色を見られたら、素敵だと思いませんか?

2016年5月5日木曜日

寒さに強い元気な子、外遊び大好きな子を育てるには?

There is no such thing as bad weather, only bad clothes.
悪い天気はない。あるのは不適切な服装だけ。

北欧に伝わる格言だそうですが、冬に閉ざされる国ならではの、不屈の精神が垣間見られますよね。北欧の子は、本当にタフ!話を聞くと、子育ての仕方にたくさんヒントがありました。
まず、タフな子に育つ秘密は、赤ちゃんの時から始まります。
赤ちゃんは冬だろうと、くるくると毛布に巻かれ、頑丈で完全フラットに寝かせられる大きな乳母車に乗せて外でお昼寝をします。外!?ええ、マイナス何十度という冬だろうと吹雪じゃない限り、外です。
理由は「赤ちゃんに必要なもので、新鮮な空気に勝るものはない。」
彼らにしたら、暖房をかけた汚い室内に子どもを置くなんて、もってのほか!という感覚なようです。赤ちゃんだけじゃなく、この新鮮な空気が大事だという感覚は強くて、冬に遊びに行っても、外がマイナスだろうが、薄くベランダのドアを開けています。暖かい季節なんてなおさら。
毛布の素材も、フリースは本当は良くないのよ、と言います。
理由は「温かすぎるから」
温かすぎていいことは絶対ない!と言います。彼らは完全装備をしても、モコモコに着込むことはありません。確かに動きが悪く、労働も遊びを阻害します。しかしそれ以上に、汗をかくことは、冬の屋外では命取り。マイナス30度のカナダで、うちの息子は汗をかき、綿のTシャツが凍ってひどい目にあいかけました。やはり湿気を逃がしつつ、暖かい空気を保って温めるが、自然な範囲で機能するウールに勝るものはないのでしょう。
この外でお昼寝は、保育園でも同じで、何台ものベビーカーが半屋外に並ぶのだそうです。スウェーデンは共働きだろうと、専業主婦の家庭だろうと、通える日数は違っても保育園に通えることが保証されているのですが、お昼寝するのはだいたい1歳までかな、ということです。確かにベビーカーには収まらなくなりますものね。蒸し暑い日本の夏は、ベビーカーなんてありえません。しかし冬のお昼寝の仕方には、いいヒントがありそうですよね。

さあ、では動き出した子どもたちはどう育つのか?
まず、保育園は、年中外で遊びます。雨だろうと、雪だろうと、よほどの吹雪じゃない限り、外で遊びます。しかもおやつも外で摂るのだそうです。子どもはそうしないと丈夫で働き者に育たないし、新鮮な空気ほど大事なものはないと言います。うちの子も、ちょっとびっくりするくらい、雨が降っていようが、曇っていようが、何も気にせず、外で遊ぼうと誘われます。
なんでそんなに外で遊べるのか?この秘密は、やはり適切な服装にヒントがありました。お下がりでもらったスノーブーツは、とても簡素で丈夫で、しかも動き回りやすいものでした。ゴム引きのズボンや、アノラック、どれも簡素で丈夫で機能的。ダウンのような、モコモコ動きにくいものではなく、雨風を防ぐ服を上手に使うのが印象的です。手袋、帽子、耳あてといった末端をしっかり守る装備を大事にするのも印象的です。体幹部は着込まず、末端をしっかり守る。日本の冬の服装と大きく違いますよね。ニューヨークエリアは、冬は連日マイナス5度前後で湿度も低いため寒いのですが、この方式で装備をすると、案外薄着でも、芯から冷えるようなことはなく、活動的に過ごせるんですよ。

こうやって保育園時代を過ごした子どもたち、小学校になるとどんな風に育つのか?気になりますよね。お下がりにもらったノーブランドのスニーカーが、軽いのに靴底が厚く、かかとも丈夫で素敵でした。マジックテープのフラップも機能的で、横4、5本ひも代わりのゴムテープが並んでいるのですが、ワンタッチで止められるので、どんな子でも履けて、1本のマジックテープよりずっと動きやすいのです。長男にも欲しかったので、どこで買ったのか聞いたところ、なんとスウェーデンの学校で支給された体育用の靴だったのです。靴まで支給というのでとても驚くとともに、とても感心しました。本当に子どもの身体を大事に育てようとしているんだなと思いますよね。体育は、やっぱり外での授業がたくさんあるようですが、面白かったのは、体育の授業の後、全員がシャワーを浴びるということです。毎回体育の後に、シャワーを浴びる。思いっきり汗をかいて、ちゃんと始末して衛生も保つ。保健体育という名前を冠するのだったら、ここまでやるとカッコいいですよね。すごく大事なことだと思います。
これに関しては、学校が避難施設化する地震大国日本なのだから、違う意味で見習ってもいいのかもしれないと思います。せっかくプールだってほとんどの学校にあるのだし、地域の必要な施設をもっと合理的計画的に考えて設計していくこと、すればいいんじゃないでしょうか

Dirty dog is happy dog

Dirty dog is happy dog
kids either!
Dirty kids are happy kids!

「汚れた犬は、幸せな犬」はスウェーデンのことわざだそうです。
汗まみれの土まみれ、水に濡れてベタベタの子どもたちをニコニコ見ながら、何度繰り返したでしょう!子どももそうよね!と彼女はいつもニコニコ言っていました。価値観の合う友だちと、遠慮なく子どもたちを練るように育てられるのは、本当に素晴らしく嬉しいこと。国籍も言葉も関係ありません!

2016年5月1日日曜日

テレビゲームを与える条件

公立の小学校に通うと、あっという間に周りの子につられて、「僕もDS欲しい!」と言い出しました。「ダメです」「うちは貧乏だから無理」「母はそれが嫌いだ」「遊びなんて金をかけずにやんなさい、しかもあなたたちは出来ます!」などなど長く言い続けました。しかし、今後PC、携帯などなど、同じような局面はずっと繰り返されますよね。夫婦でいろいろ考え、何度か失敗もし、子どもたちの性質も鑑みながらあれやこれや試みました。

長男は、理屈で動く人間です。理詰めじゃないと動かないし、理詰めだと、ググッと我慢もする。私は理屈の人間じゃないので、だいたいいつも大げんかになります。
そんな彼なので、DSを買う条件をバッチリ出しました。内容は、時間を守れること、約束を守れること。クリスマスに欲しがっていたのですが、サンタさんから手紙が届き、「お父さんとの約束をきちんと守れたら、こどもの日に持って行くね」と半年間の見極め期間を設けました。そして、子供の日が近づき、長男とどんな条件を満たしたら、ゲームができるかゲームのルールを考えました。宿題が終わってからじゃないといけない。時間は目に悪いから何分まで。テレビも目に悪いから、テレビとゲームの時間は両方作ろう。休みの日はどうしようか、揉め事が起きた時は誰がどう対処することにするか、などなど。それらを紙に書き、本人と父母が日付とサイン入りの契約書を作りました。
この契約書を作るという作業は、とても効果的でした。紙として残るので、言った言わないの揉め事がなくなります。また、約束をするとき、いろいろな状況や条件を考え尽くして行うようになります。約束をする重みもわかりました。子どもとしても、気分でああだこうだ移ろう母は厄介者なので、自分を守ってくれるものとしても、その後何か事あるごとに契約書を書くようになりました。
長男は、弁護士になりたいそうです。とっても向いていると思います!!

テレビゲーム漬けを避け、賢く育てるには?!

DS、いっぱいやりすぎるんです!どうしましょう!
…買い与えちゃったのはどなたでしょう??

こういう状況への対処方法は、また後日書きますが、まずはテレビゲームに出会ってしまう前に、是非とも楽しい違う遊びを知っておくのがいいのではないかと思います。できれば、家族ワイワイガヤガヤとやっておく。本で読むのより、人にお題目たれられるののより、何倍も何倍も強固に働くのは、自分で勝ち得た経験によるもの。人間に勝るものはないという経験を、子供の頃からいっぱい積んでおくしかありません。思春期の問題も、その時になって焦っては難しい。小さい頃から、親とのつながる接点をいっぱい作っておけるといいですよね

頭を振り絞って考える子どもに育てたかったら、残念ですが親も頭を振り絞って考える経験を一緒にやるしかありません。もちろんずっととは言いません。エンジンがかかったら、子供は自分でドライブしていきます。しかし、出会いは一緒にやってはどうでしょう?アメリカの高校は普通無受験で入れますが、敢えて試験を受けて入る公立のチャータースクール。そこのとても優秀な生徒さんたちが好きなのは、やっぱりボードゲームです。トランプも好き。素地は作るものです。
我が家は夫がとても忙しい仕事についています。たまの休みはゆっくりしたい。しかもインドア派なので、アウトドアは母に丸投げでした。そんな父が子どもと一緒に楽しめる機会をもっと増やすには?我が家では一緒にゲームを楽しむ習慣を作りました。これはとても良いことでした。父親が子育てに参加する機会として、最適です。子どもたちが、どんな考え方をするのか、勝ち負けにどう対処するのか、子どものことがよくわかるのです。子どもたちが、変わっていく様も見ていけます。子どもたちがパパは俺たちのことを好きだ、と思う機会がぐっと増えました。パソコンゲームもDSもある我が家ですが、週末になると「トランプしよー」と声がかかります。

でも、あまり遊んだ機会がなかった。。。。私の夫もそうでした。

最初にオススメなのは、トランプです。
もちろん、小さい子どもでもできるからですし、トランプ一つ家庭にあっても、害もない。遊び方は簡単なものから、複雑なものまでいろいろあるし、小さくて、千円もかけずに、いいものが手に入ります。持ち運びも楽なので、我が家の旅行では必ず携帯です。電車の中でも楽しめます!
そしていいのは、一つのツールでたくさんの遊び方があることです。運によるもの、頭を使うもの、記憶力がものをいうものなど、ゲームによってヒーローになれる人が変わります。大人も混ざって行うけれど、一番小さい子が勝つ可能性がたっぷりあるのが、上手に続けるコツです。

小さい子どもでも、ゲラゲラ楽しめるトランプ

うすのろバカ
いっきゅうさん」193のほか、
ダウト
「ババ抜き、ジジ抜き」
「神経衰弱」

少し難易度が上がるけれど、楽しみは何倍もあるトランプゲーム
大富豪
七並べ
「セブンブリッジ」
「ナポレオン」

家族みんなで始めると、やろうやろうと言ってくれるけれど、できなくて忍びない日が続くというシチュエーションが起こります。この時小1の息子に教えてあげたのが、クロンダイク。一人だからと言って、テレビゲーム以外にも遊べる方法があるというのは、彼には一大発見だったようです!

お金をかけても、元が取れるくらい遊び込むぞ!という楽しい家族の時間が過ごせるようになってきたら、ボードゲームや、その他のカードゲームを試してもいいかもしれません。我が家がやって楽しかったのは、次のようなものです。

カードゲーム
「花札」
日本の美しいカードゲームとして話の種に渡米時に持ってきたのですが、2、3人で何か遊びたいという時に最適です。3人で場6、手7で配ると、山札は必ず使い切ります。2人で場8、手8で配ると、山札は微妙に残って、運が加味されます。なので、二人であっても十分面白く、それぞれ作戦も変わってきて、奥が深いのです。

「百人一首」
子どもが小さい頃は、坊主めくり。大きくなったら百人一首で読み合せする。私自身が小さい頃に、しょっちゅう従姉妹たちと遊んだのですが、男の子はなかなか。我が子には不評でしたが、ゲームも好き好きなので、選択肢の一つとしていかがでしょう。

体を動かすゲーム
コリントゲーム
どうにも体を動かすゲームじゃないと、年齢差の興味が埋められない。。。という時に、コリントゲームはとても楽しく、小さい子からお年寄りまで、何人でも遊べて楽しいです。


オススメボードゲーム
ボードゲームは千差万別、人生ゲームなど、誰でも一度は遊んだことがありそうです。敢えて家庭で買うとしたら…頭を使い倒すものは…我が家で人気だったものは…という観点から、下記にいくつかご紹介します。

◆4、5歳から
モノポリー NEW 
小さい子でも簡単に参加できるのでオススメ。計算のトレーニングにも。
運の要素だけでないので、研究しだすと奥が深い。ただ名前の通り、一度勝ち出すと、差が開くばかりなので、癇癪起こすことも多々!参加できる人数も広いので、一つあると便利。

ブロックス 
陣取りゲーム。2−4人で行える。かなり小さい子どもでも遊べる。これも頭をかなり使う。図形のセンスが身につく。実は各ピースは組み合わせ、対称性など面白い切り口で深めがいがある。ゲーム時間はそれほど長くない。

◆思考力も集中力もついてきたら
カタン スタンダード版 
さすがヨーロッパ発とあり、モノポリーの勝つ人が勝ち続けるゲームと展開が全然違って面白いです。シリーズの中でゲーム時間も内容も軽めですが、頭を使うゲームの醍醐味に溢れています。

カタン アメリカの開拓者たち
いくつかシリーズの中で試しましたが、我が家が一番好きなゲームです。手応えもゲーム時間も十分!資源が枯渇し、西へ西へと開拓の前線が移動していくさまは、まさにアメリカの黎明期を彷彿とさせ、歴史的にも地理的にも楽しめます。ヨーロッパ版も同様の楽しみがありますが、各ゲーム必勝法も、ルールも違っていて、一口で語れず、奥が深いのが面白いところです。

2016年4月30日土曜日

考える力をつけるには?

考える子に育てたい!と思うけれど、そのアウトプットを目指すのに、何をインプットしてあげればいいのか?これはとても難しいです。
子育ては、ともかく「ああなってほしい」「これができてほしい」と、アウトプットしている理想像を妄想してしまうのですが、長時間仕込みに仕込んで、最終的な結果そこに行き着く過程を最初に描くのは、本当に難しい。
もはや、どれがどのような影響を与えたかということを細かく見ることは不可能ですが、我が家の長男は、恐ろしく頭をフル回転させ、勝負が大好きです。
初めて気がついたのは、小学校1年生の時に、じゃんけんの仕方に異常に執着するので会話をした時です。彼の学校では、「さんま」「ゴマ」といって、3回勝負のじゃんけん、5回勝負のじゃんけんがありました。彼はなるべく勝負回数を増やそう増やそうと交渉するのです。確かに、じゃんけんの回数が増えるほど、相手の手を読み、それを利用して勝負に出る機会が増える。しかし3歳下の弟には、回数が増えるほど難易度が高くなりすぎるので、大人が口を出したのですが、烈火の如く怒るわけです。彼は、友達や兄弟、先生など対戦相手の手の出し方を、驚くほど分析していました。一年前に会った友だちの手グセまで覚えているのだから、ひとたまりもありません。
しかし、彼が自分が勝てればそれでいいというタイプかというと、大きく違うところが面白いところです。彼は実利を選ぶ人間なので、「みんな仲良く」と母が言うお題目に毒されてそうなったわけではないのです。実は、彼は4〜6歳の時期に、とても素晴らしい保育園の先生と仲間達と過ごしました。仲間と遊ぶ楽しみが、骨の髄まで染み込んでいます。一人で遊ぶより、大勢で遊ぶのがどんなに楽しいか、その場を面白くするためには、どうすればいいのか。そこは決して一人勝ちを良しとするのではなく、ハンデの仕方、ご当地ルールの作成、チームの組み方と、ああだこうだ知恵を振り絞って、みんなも楽しい、俺も楽しいという遊びにすることに、頭をフル回転させるのです。いつも感心するのは、これを動的に行うところです。実戦と思考が同時にあり、舌を巻きます。人と関わるのが楽しいという大きな原動力と、他人という複雑怪奇で、終わりのない探求。彼の考える力は、複雑なものを扱うことで、どんどん鍛え続けられていると思います。
そして、家庭で取り組んだことで、よかったなと思うことは、ボードゲームやトランプを家族の団欒としたところです。忙しい父親が家に居られる時に、一緒に時間を過ごす方法として、ブロッキャス、モノポリー、カタンといったボードゲームや、トランプの大富豪、ナポレオン、セブンブリッジといったものを、3、4歳から延々とやっています。いろんなゲームを取り組む中で、子どもの特性も見えてきます。新しいルールへの適応が早く最初よく勝つけれど、必勝法を掴むまで考え抜けない次男。新しいルールを覚えるのは難しいけれど、考え抜いて必勝法を編み出し、どんどん勝ちっぱなしになる長男。さらに、この特性も、さらに遊び込むようになって、長男の新しいゲームへの適応が早くなるなど、どんどん変わっていきました。最近は、ゲーム大会と称して、サンクスギビングや年末といった大型連休に、1つのゲームだけじゃなく、10種競技のように、総合得点で争うことをしています。特に予定もなく家にいるとき、2日連続耐久戦、複数ゲームの総合格闘技です。前もって、どんな順番で、どんな点数のつけ方にするといいか、誰にどんなハンデを付けるかといったことを、家族ワイワイガヤガヤ話し合って決めます。誰もが喜ぶような賞品を各自用意することも欠かせません。当日は、頭を使いすぎて、えらく疲労するし、子どもたちがあまりに強くなりすぎて、全然休んだ気にならない休みです…思春期の父子関係を思うと、子どもが小さいうちからやって良かったことの一つです。
一方で、クッタクタになっても遊び続ける、楽しいから昼ごはん食べる時間すら惜しくて、昼ごはんはほとんど食べない。。。そこまで大変でもやりこむほど、中毒になる程遊ぶ事が大好きだし、集中できるというのも、大事な力です。個性も関係しています。何事もバランスを崩さない次男は、集中する時もバランスを崩すような真似はしないが、何日間にも及ぶ持続力はすごい。長男は度肝を抜く集中力を見せるけれども、次男ほどの何日にも及ぶような持続力はない。次男が集中する力をもっと付けてあげたいと思ったこともありました。はまった釣りに毎週通うことを1年ほど続けました。彼は深さより、長さというのが、私の出した結論でした。己を知るということは、とても大事なことだと思いますが、兄弟がこうも違い学び合えるというのも面白いですね。一緒に暮らし、時に苛立ちながら、彼らは他者を学び続けています。とても大きな恵みになっています。

自然を愛する心を育てるには?

自然を愛する心を育てたいからと、
「花は摘まない!」
「ゴミは捨てない!」
と声だけかけていても、あまり効果はない気がします。

子どもは放っておいても、どんどん自然で遊びます。まずはそれを邪魔しない。
子どもが感心を持ってくれないなら、まずは大人が楽しむ。
内田樹さんの本が好きなのですが、顧客満足に関して書かれた記事で、動機付けという観点で論を展開されていますが、子どもと接するときになんせ一番効果があるのは、目の前で体現されていて、ついやりたくなること。違うね、の前に子どもは一緒だね、を学びます。真似したい!ママ一緒だね!という共感。これを繰り返し繰り返し積んで身にしていく。

都会に住んでいるから無理、なんて言わないでください。東京に住んでいましたが、キツツキもいれば、オタマジャクシも、タンポポも。釣りもしたし、カブトムシやクワガタだって、23区で楽しめました。田舎にいたって、季節も生き物も気づかずに過ぎていきます。子どもたちと、是非探して楽しんでみてください。
楽しみ方がわからなかったら、ネイチャーゲームをいう方法を参考にしてみるのも手ですし、得意な人に聞いてみたり、得意な人が行う会に顔を出してみるのもいい方法です。
保育園の先生がどうやって子どもと接しているのかな?と、時間を見つけて、お手伝いがてら保育園に顔を出すのは、自分のポケットを豊かにしてくれます。例えば、我が家では子どもが道端の小さな花を摘んでプレゼントしてくれました。落ちていたツツジを拾ってきてくれた、タンポポをつんできてくれた。そしたら、しおれていようと食卓や玄関にジュースの瓶でもいいので挿して飾ってあげてください。小さいソープディッシュに浮かべてあげるだけだっていいんです。誇らしげな顔が眩しかったですよ。
もちろんこれは近所の方のお庭の花だから、これは公園のだからダメだよ、ということを知ることも大事ですが、お水をあげているおばちゃんに、一輪くださいとお願いしてみようか?という事だってできるわけです。

そして子どもが虫や生き物、花を手にとっても、大きい声で「汚い!」とか言わないでください。ハチを叩くとか、よっぽど危ないことでない限り、感じて学ぶのが一番です。大好きで、一番の先生であるあなたが「汚い」と言えば、それはもう「汚い」烙印から逃れるのはとても難しい。ダンゴムシは、どの子も大好き。保育園から帰ったら、ポケットにうじゃうじゃ入っていることだってありました。庭の植木鉢や公園に一緒に放してあげたらどうでしょう。大人になってもそんなこと続ける人は、滅多にいないでしょうから、小さい頃の可愛い話として、大目に見てあげてくださいね。

子どもは大人が夢中になっていることほど、気になるものはありません。
おたまじゃくし捕りでも、釣りでも、ヨモギ摘みでも、綺麗な季節を楽しまれてはいかがでしょう?大人が夢中な姿に、どうしても俺もやらせてよう!と言い出したらしめたもの。特に食べられるというのはすごい原動力。お友だちが、お子さんが摘んできた5本ほどのつくし、夜ご飯に佃煮にしてあげたんだそうです。小さな自分がみんなの胃袋を喜ばした!子供には、こんなに嬉しく誇らしげなことはありません。
一度エンジンがかかったら、極力大人は口も手も出さず、集中力と創意工夫の心を思う存分発揮させてあげれば、その後出会う勉強もスポーツも、自分の力でどんどん切り拓いていく頼もしい子どもが育ちますよ。

本を読むときの声掛け?小学生の読書

それでは、本は量を読みさえすればいいのか?
日本では、あまり読書の仕方ということを習いません。しかし、アメリカでは子どもたちは読書技術と呼べるようなものを習います。
スキミングすることや、メインテーマは何か見抜くこと、事例がメインテーマを支えることなど、読書と作文両面から習います。文章を書くことも、読み解くことも、コミュニケーション能力です。切り離せるものではなく、一つのものを発話と傾聴の両面から学ぶことです。そして作文の比重は、決して日本のように見劣りするような少なさではありません。
アメリカの小学校低学年の宿題は、主軸は読書です。異常なまでの読書、読書と言われます。リーディングの力が学力が大きく比例するという結果をもとに、なんせ多読を進めます。大学になれば、社会人になれば、分厚い本を何冊も、短期間に読まなければいけないというのが、ゴールに明確にあります。だから同時にいろんな本を並行して読むことを勧められます。面白いですね。質に関しては、日本ほど感動や美しさ倫理性といった内容に関して評価されはしません。書評、ライクの数、というようなことはあるのでしょうが、ダイバシティの国で、一つの物差しに押し込めるのは難しく危険なことです。ですから質というと単語の難易度や、暗喩などの表現の難易度、文章構成の難易度などを加味したリーディングレベルというものが、小さい子どもの本では設定されています。学校では担任の先生が子どものレベルを測り、親と共有します。そして、各子どものリーディングレベルに合わせて、先生がそのレベルの本を子どもに用意し、子どもたちはその中から好きな本をどんどん読み進めていきます。図書館に行ってもウェブサイトに行っても、リーディングレベルと本の一覧は簡単に調べられます。どの子も共通の教科書を読む日本と、大きく違いますね。恣意的に切り取られた部分ではなく、本を丸ごと読むこと、その子に見合った本を読むことが大きく違います。1年生の時は、ただ読むことを重視されました。2年生の息子の宿題は、毎日本を20分読み、読書記録をつけるのですが、とても良いものだと思うので、ここに参考にイメージをアップします。この記録には、毎日少しずつ違う質問が書かれています。この本のメインテーマは何か、今日読んだところの出来事を簡潔に書け、メインテーマを支える例を挙げよ、といった感じです。本が何であっても、質問は共通です(フィクションかノンフィクションかで変わることはありますが)。読書というのは、筆者が本を通して伝えたかった、こういうことを拾いながら読むのだというトレーニングを繰り返し、繰り返し行います。先生によってもちろんスタイルが違うのですが、毎日本を読むこと、それを記録することは、小学校の間ずっと変わりません。
読書は、もちろん楽しみで行うものであればいいと思いますが、日本では教育の現場でこういった視点が欠けていますので、補う場があればと思います。私は、子どもが小学校にもなると、親だけではなく、多様な大人、専門家の影響を受けながら育って欲しいと思っています。仲間でこのようなことが学び合えるブッククラブなど、行われてはいかがでしょうか?

本好きに育てるには?

小さい頃から、毎晩いっぱい絵本読んであげた。でも小学校に入って、読んでもらうから、自分で読む、読みたい、、、あわよくば読みたくって読みたくってたまらない!そんな方向にどうやって転向すればいいのか?

結論から話せば、質より量。

質といえば、読んであげる絵本は、かなり私の好みでチョイスしてきました。今振り返っても、7歳までは、何が大切か、どんなものが好きか、気持ちいいかという人間としてのベースを培う大事な時期だから、野放しはやっぱり良くないのではないかな、と思います。他人への言葉のかけ方、他人の行いへの敬意の払い方、正義とは何か、子どもの本とはいえ、いいえ、子どもの本だからこそ、こだわりたいところがあって、譲れないところがあります。しかし自分で読めるようになった!図書館行きたい!といって通い始めると、手に取るのは、怪傑ゾロリや、忍たま、下ネタとか、くだらない話とか、、、本当に大好き。ゲラゲラ笑って、何度も何度も読んでいるんだけど、、、長男の時に、さすがにママはこれは好きじゃないので、こっち読んで欲しいなというような口を出したら、見事に読書量が減りました。そこで、ええいどうにでもなれ!と一切口出しをやめ、「あなたは本当に本好きだね!」と言いながら、ニコニコしていると、どんどん読むわ読むわ。しまいには、もう寝ないと!トイレで読まない!と止める始末です。しかし気に入っていたシリーズものも、もうおしまいが近くなり、少し読書にも陰りか見えてきました。息子が好きな本はどんなものか、横目で見ていると、好みも察しがつきます。そこでブックレビューや司書さんへの質問で目星をつけておいた本を、ちょっとオススメしてみる。長男は、怪傑ゾロリが好きだったので、怪盗二十面相の少年探偵団シリーズに移行し、その後怪盗ルパンシリーズ、シャーロックホームズシリーズ、SFの世界、ファンタジーの世界、中国の3大小説とハードな山をどんどん登って行きました。この時気がついたのは、何度かガラスの天井にぶつかって停滞するということです。まずは、漢字にふりがなが付いていないと読めないという時期。漢字がとても苦手な子供だったので、興味関心と漢字のレベルに差があると、なかなか心が動かされません。アメリカ滞在中は、漢字のレベルがどうしても停滞し、英語の本のレベルがどんどん上がるけれど、日本の本はちっとも手に取らないという時期がありました。青い鳥文庫など、ふりがながたくさん振ってある本は、とても助けになります。その後、読めない漢字があっても読み進められる力という読書テクニックを学ぶ時期があります。ここまでくると、逆に読書好きであることが、漢字の読む力をとても伸ばしてくれています。

まずは大好きな本に目一杯はまること。読書って楽しい!という経験があれば、あとは出会いです。この本は、できたら読んで欲しいなという本が、誰にでも何冊かあるのではと思いますが、あくまで子どもの今楽しいという読書の旅に沿わせて。